弁護士としてスタートをきったとき、「これから邂逅する全ての事象に全身全霊をもってぶつかる!」と、怠惰な自分に大仰な言葉をかぶせたことが思い出されます。 過ぎ去った月日から、どんなに小さく見える事件でも、誠実に、自らの力の限りをそれこそ搾り出して対応しないと、決して自分の考える結論をもたらすことは出来ないという、この仕事の厳しさを学ぶと共に、そのような努力と冷めることのない熱く燃える心を持ち、ひたむきに前進さえすれば、どんな困難な事件でも明るい希望が見えてくることも、教えられたような気がします。 |
今、私の事務所が、大きく広げた帆にいっぱいの風を受けて、無事に航海を続けられているのも、そんな平凡な教訓を大切にし、ひとつひとつの事件を手の中で暖めながら、生きてきたからだと思います。
我々の仕事の中核は、突き詰めて考えれば、「人間関係をどのように形成するか」という作業であるような気がします。弁護士人口が増加する中で、弁護士の専門性が求められておりますが、それは当然のこととしても、肝要なのは、様々な事件を通して“人間の本質”を学び続ける姿勢であると考えております。
今後も、そのような気持ちを失わずに精進して行きたいと思います。これからも、一層のご支援、ご指導をよろしくお願いいたします。